夜明けを待つならあなたと―電子書籍
過去のある出来事により、生きることに執着をもてなくなってしまった宮林修介。母親の三回忌で故郷に戻ると、同級生の夏純と再会します。学生時代に密かに憧れていた夏純との再会で、少しづつ生きる意味がわかってきます。
暗い過去や消し去りたい過去というものは、誰にでもひとつやふたつ抱えているものではないでしょうか。その過去の出来事により、心を閉ざしてしまったり、殻に閉じこもったりしてしまいます。嫌な思いは消えることなくずっと心に住みついて、自分の存在にすら疑問を抱き、いつしか孤立していきます。
そんな自分のことをわかってもらえる、共鳴してくれる、見守っていてくれる誰かと出会えたなら、それでだけでもう、生きる意味というか、生きていてもよいという想いが湧いてくるのではないのでしょうか。そしてその誰かを守りたいという想いが、暗闇から抜けだす力になるはずです。
ただ相手にそう想ってもらえるだけの「何か」を持ちあわせていなければならないのでしょうが…

夜明けを待つならあなたと(電子書籍)
著者 葉月奏太
レーベル 悦文庫
出版社 イースト・プレス